ヒトに対する影響
現在使用されている洗剤は、肝臓で分解できるものが多く、分解できない分は体外に排出され、蓄積性はない。ただし、他の物質と比べると多少分解されにくい(したがって一度に多量摂取は危険である)。また、家庭用洗剤の皮膚からの浸透量はおよそ0.53%であり、ヒトが一日に摂取する界面活性剤の量(洗濯物に付着した洗剤の皮膚から吸収される量、食器に残留した洗剤、添加剤として食べ物に付着したもの等の合計)は多くとも14.5mgである。この量は最大無影響量[3]のおよそ1000分の1に相当する(体重50kgの場合)。また催奇性や発がん性などの性質もなく、日常の生活において界面活性剤による健康被害を受けることはほぼないといえる。
界面活性剤の影響で注意が必要なのは刺激性である。種類によっては界面活性剤は長時間使用すると、人によって肌荒れを引きおこすことがある。これは皮膚の角質に作用し表面の滑らかさを奪うためであり、界面活性作用の強いものほど起こりやすい。一部の化粧品にも界面活性剤が(主に成分を混ぜるための乳化剤、または浸透剤として)用いられるため、長期間・多量の使用はかえって肌を害しやすいともいえる。このため、活性剤を使用しない無添加製品などの開発が進んでいる(無添加のほうが人体によいのかについては不明)。ただし、化粧品に用いられる界面活性剤はもちろん刺激性の低いものを使用しているので台所用洗剤と同列に扱うことはできない(上述)。 なお現在、人工の界面活性剤と天然物に関して、人体への影響にそれほどの差はないと考えられている。また、合成洗剤よりも石鹸のほうが必ずしも安全であるということはなく、無添加といえどもそれは変わらない。